2021冬 北欧&東欧未使用タグ付き作業着祭! ノルウェー、フィンランド、ポーランドの3か国から
2021年、いやはや、もう作業着しか着る気がしないですな!
そのままの 君でいて
古着を扱い始めて分かったことですが、作業着メーカーというのはだいたい各国に強い業者がいくつかありまして、中国産で安けりゃーいいやぁー! それ発注ぅぅぅ、とりゃ~っ! てな具合で作っているわけでもない、ということです。
もちろん中国産のものも少なくはないのですが、それでも発注元のヨーロッパの会社のタグがしっかりしていたりと、危険かつ責任重大な現場作業にも使われることもあるため、実用本位で決して安い作りにはなっておりません。そのあたりは若干、発注元の作業種類にも依るところですが。
いまや「何の変哲もない」という枕詞を何の迷いもなく着けることができるジーパンも、元をたどれば鉱夫の方々が愛用したもので、普及した理由の大きな一つに「耐久性」という要素は間違いなく入っているでしょう。
私は原理主義者というわけではありませんので、ジーパンは耐久性に優れていなければならない、という御託を申すつもりは毛頭ありません。しかしその「ファッションアイテムとしてのファッション性」とでもいいましょうか、そこに取り込まれてしまうともう耐久性、実用性という機能は置き去りにされてしまうのが、何だか切ない。
ここ数年、「スタイリッシュ作業着」的なものが新庄選手をモデルとして展開されているのを見かけたりしますが、その方向性、つまりファッションアイテムとしてもイケる感、なんて全く要らないのではないでしょうか、むしろ逆効果。
そのままの佇まい、ただただ作業着以上でも以下でもない、凛としたシルエットに人は惹かれるのであります。
そんな思いを胸にコロナの嵐吹き荒れるこの冬、氷点下の気温にもめげず、また時には私の入店時に出来上がる、あの走れメロスの悪い王が如き不機嫌なポーリッシュババァたちの眉間の皴にも心折れず、選び抜いた作業着たちをご紹介!(中にはたまに感じのいい笑顔で迎えてくれるババァもいます、念のため) 全て未使用タグ付きで、心ほっこり華丸大吉、いやむしろプーアンドムー。
では見ていきましょう。
Case 1.ノルウェーの製紙業者 Norske Skog バックプリントあり オレンジ色
一件目は産油国であるノルウェーから。知りませんでしたが、この Norske Skog という製紙会社は超巨大企業でした。
製紙業界で連想することと言えば、王子製紙の坊ちゃんがカジノで何億も使い込んだことのみで打ち止めの私です。金券としての価値を持つ以前に、紙幣っていうのは紙であって破いたりできるんだよなあ、という普段忘れがちなことを思い出させてくれる話ではありますが。
当然ですが用途に応じて作業着にも色々と種類があるわけですが、この70年代を思わせるかのようなショッキングオレンジは、着ているつもりでも飲み込まれてしまいそうな煌めき。ここまでの良発色である必要がある現場なのでしょうか、製紙工場というのは。
(バックプリント)
企業ロゴってのも結構面白く見るのですが、この矢印のようなものは、紙の原材料である木を表している、のではないでしょうか。右側の下向きのものはよく分かりません。ロゴデザイナーみたいな方が、バランスを取るために添えたのか。
素材はナイロンとコットンが50%ずつで、このテロテロ感の創出にはナイロンが一役買っております。耐久性充分、そして雨にも強そう。
前面はこんな感じ。ノルウェー語なのか、筆記体なのでよく分かりませんが最初の一行は企業名の Norske Skog でよいと思われますが、あとはほんとに不明です。こんな時のために中学校からノルウェー語、もっとちゃんとやっとけばよかったなぁ!